オイルを指定した車種もある!エンジンオイルの粘度とは?

- 2017/12/17 エンジンオイル, カンドーメンテナンス, 燃費
エンジンオイルに10W-30と表記されているのを見たことありますか?これだけみても何を表しているのか、分からない人が多いと思います。
これはエンジンオイルの種類を表しています。車種別で推奨されているものもあります。
エンジンオイル粘度の調べ方
自分の車のエンジンオイルの粘度は取扱説明書に記載されています。
まずは、車の推奨粘度を知ることでどのオイルを使用するかを把握することが大切です。
エンジンオイルの粘度とは
エンジンオイルには様々な粘度(硬さ)があります。
SAE粘度といって、米国自動車技術者協会が定めた基準によってオイルの硬さの基準が決まっています。
オイルの缶やパッケージに記載されている10W-30のような表記が粘度です。
粘度は「硬ければいい」とか「柔らかければいい」ということでは無く、車種や季節に合わせて選ぶことが重要です。
API規格
米国石油協会(API)とSAE、そしてアメリカ材料試験協会(ASTM)の三者が協力して定める規格です。
耐摩耗性や、高温時の耐久性など、様々な条件をクリアしてエンジンとともに進化してきたエンジンオイルの性能を、どの程度クリアできているのかをあらわす規格です。
近年では、省燃費性能が求められているため、このAPI規格でも、省燃費性能の基準の改善が多く見られます。
「SN」の2文字からどのようなオイルかを見分けることができます。
この一文字目のアルファベットでガソリンエンジンかディーゼルエンジン用かをどちらのエンジンに使えるのか判断できるようになっています。
「S」から始まるのがガソリンエンジン用で、「C」から始まるのがディーゼルエンジン用です。
SAE規格
エンジンオイルのSAEとは、アメリカ自動車技術協会のことで、
SAEが定めている規格表示から、粘度(オイルの固さ)をある程度判断することができます。
例として、「10W‐30」など数字+アルファベット・ハイフン・数字で表されます。
この数値は車ごとの基準値がありますので、その数値にあったオイルを選ぶことが推奨されております。
エンジンオイルの粘度の見方
オイルの缶やパッケージには「5W-20」や「10W-30」といった表記があります。
例えば「5W-20」の場合
・「左の数字5W」左側の数字は低温時のオイルの粘度(硬さ・やわらかさ)を表します。
この数字が低いほど低温時に柔らかく、「寒さに強い」「エンジン始動性が良い」「燃費効率が良い」等の特徴があります。
・「右の数字20」右側の数字は高温時のオイルの粘度(硬さ・やわらかさ)を表します。
この数字が高いほど高温時に硬く、「熱に強い」「高速走行に適する」等の特徴があります。
一般的に、この低温時の数値と高温時の数値の幅が大きいほど、あらゆる走行条件に対応しています。
このWはWinterの略で、前半の数字は10、5、0と小さくなるにつれ低温で固まりにくい特性を持っています。
0Wは零下35度、5Wは零下30度、10Wは零下25度まで使用可能です。
10Wよりも5Wのほうが、エンジン始動時における負荷が小さく、燃費も良くなります。
後半の数字は高温時における粘度を表し、数字が高くなるほどオイルが固くなることを示します。
車種別推奨オイル
「ハイブリッドカー・コンパクトカー」
0W-20
ハイブリッドカーなどに推奨されているオイルです。粘度が低いのでさらさらとしています。
燃費性能に優れています。
「軽自動車」
0W-20~5W-30
燃費重視なら「0W-20」「5W-20」、高速走行や負荷のかかる走り方をするならば「5W-30」がオススメです。
「ミニバン」
0W-20~5W-50
ミニバンは車重があり、大勢で遠出したり、ファミリーカーとして普段使いをしたり使用状況が多種にわたります。
使用環境に合わせた適切なオイル選びが肝心です。
「スポーツカー」
5W-40~15W-50
スポーツカーの場合、エンジンは高温・高回転のため熱に対する強さが必要となります。
粘度の高いオイルがオススメです。
「輸入車」
5W-40~10W-40
輸入車の場合、オイルを指定している車種もあります。、
車種によりオイルを消費するモデルもあるので、オイルの量を定期的にチェックしましょう。
要注意!!オイルの粘度を指定した車種もある
「省燃費オイル」と呼ばれている0W-20や5W-20といった非常に低粘度のオイルを指定している車種もあります。
省燃費オイル指定の車に普通の粘度のオイルを入れると急激に燃費が悪くなる場合があります。
逆に、指定されていない車に「省燃費オイル」を使っても低粘度過ぎて車に全く合いません。
場合によっては、エンジンを傷めることもあるので注意が必要です。
API規格
API規格の各オイルの特徴の一覧です。
SA:運転条件がゆるやかなエンジンに使用可で、添加物を含んでいないベビーオイルです。
SB:最低レベルの添加物を配合したオイルで、かじり防止・酸化安定性の機能が改善されている。
SC:1964~67年型のガソリンに使用できる品質を持ち、デポジット防止性・磨耗防止性・サビ止め性腐食防止性が備わっている。
SD:1968~71年型のガソリン車に使用できる品質を持ち、SCより高い品質レベルを備えている。
SE:1972~79年型のガソリン車に使用できる品質を持ち、SDより高い品質レベルを備えている。
SF:1980年型以降の車に適応。酸化、高温デポジット(堆積物)、低温デポジット、サビ、腐食に対する優れた防止性能を発揮。
SG:1989年型以降の車に適応。SFの性能に加え、動弁系の耐摩耗性と酸化安定性が要求され、エンジン本体の長寿命化を果たす性能がある。
SH:1993年型以降の車に対応。SGの性能に加え、スラッジ防止性、高温洗浄性に優れる。
SJ:1996年型以降の車に適応。SHの性能を向上。さらに蒸発性、せん断安定性に優れる。
SL:2001年度制定。SJに比べ、省燃費性の向上(CO2の削減)・排出ガスの浄化(CO、HC、NOxの排出削減)・オイル劣化防止性能の向上(廃油の削減・自然保護)があげられる。
SM:2004年制定。SLに比べ、浄化性能・耐久性能・耐熱性・耐磨耗性に優れている。
SN:2010年制定。SMに比べて、省燃費性能の持続性のさらなる向上や触媒保護性能を強化。
まとめ
人間にたとえるとエンジンオイルは血液、エンジンは心臓のようなものです。
心臓は血液が無いと機能しないように、エンジンもエンジンオイルが無いと全く機能しません。
車にあったエンジンオイルを使うことで、スムーズにエンジンが動くようにしましょう。