この夏最後の花火にお薦めの1曲

- 2017/08/22 カンドーミュージック
旅行は計画している時が1番楽しいものです。
インターネットを駆使しながら、旅先の名所やグルメスポットなどを検索。同行者と、あーでもない、こーでもないと言いながら準備するひと時ほど楽しい時間はありません。
もちろん、実際に旅に出て、想像以上の感動や味覚、サプライズに遭遇出来た時も嬉しいものですが、ご存知の通り、楽しく幸せな時間ほど速く過ぎ去るものです。
気が付けば、あっと言う間に帰りの車中。また明日から現実の日々がはじまります。
夏の終わりほど悲しいことはありません。7月はイメージ的に登り坂です。鬱陶しい梅雨も、その後にやって来る夏を考えればやり過ごすことが出来ます。梅雨明けと同時に登り坂はより急な勾配へと変化し、夏と言う楽しい山に向かって駆け上がります。
8月前半は連日、仕事なんかしている場合じゃねーよと口走りながら、1年で1番旨いビールに酔いしれます。しかしお盆に入り、人々が故郷に帰る頃はまだなんとか元気ですが、終戦の日を迎え、ニュースがUターンラッシュを報せる頃になると、気分は一気にダウン。後は夏の終わりに向かって下り坂を一気に転げ落ちる気分です。
【さよなら夏の日】by山下達郎、【夏の終わりのハーモニー】by井上陽水&玉置浩二など、夏の終わりを象徴する、切なくも素晴らしい曲は沢山ありますが、今年はこの曲をお薦めします。
2007年にリリースされたフジファブリックの10枚目のシングル【若者のすべて】。その2年後の12月24日に急逝してしまったヴォーカルの志村正彦さんが歌う、この時期ぴったりのエンドサマー系哀愁ポップスです。
歌詞にも登場しますが、夏の風物詩“花火”。花火はまさしく夏を象徴しています。観る前は盛り上がりますし、観ている最中もそれはそれは綺麗なんですが、エンディングの乱れ打ちが終われば、暗い夜空に残るのはため息にも似た喧噪と家路に着く人々の後姿。これ以上淋しいものはありません。

それでも敢えて、これから今年最後の花火大会に行くと言う方にはこの曲をお薦めします。生涯に1度しかない、逝く夏の想い出のために。