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まさに技術の結集!車の自動ブレーキシステムとは?

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自動ブレーキシステム

車のブレーキ性能が格段にあがり、事故も減少しています。自動で前方や後方の車を感知し、警告音やブレーキ制御で事故を未然に防ぐシステムの技術が昨今では大きな話題を呼んでます。
各メーカーが力を入れて開発している自動ブレーキシステムですが、メーカーによって呼称や性能が様々です。まずは自動ブレーキシステムはそもそもどういうものかを調べてみました。
※投稿時点での機能紹介になります。

自動ブレーキシステムとは?

自動ブレーキシステムは「衝突被害軽減ブレーキ」と呼ばれます。
自動車が障害物を感知したときに衝突に備える機能です。
自動車メーカーによって呼称が異なります。
仕組みは自動車に搭載したレーダーやカメラからの情報をコンピュータが読み取り、警告やブレーキの抑制などの補助操作を行うシステムです。

あくまでも補助操作ということになりますので、適切に作動しないケースもあります。
例えば人や自転車が急に飛び出したりする場合やセンサー外からの自動車の急な割り込み、
その他悪天候や道路状況、前方の車がセンサーで感知しにくい形状など、システムが作動しなかったり、作動が遅れて衝突軽減が出来ないケースがあります。

また、衝突の可能性が無い場合でもシステムが発動するケースがあります。
カーブの途中に標識やガードレール等がある時、カーブで対向車とすれ違う時、道路上に金属物や突起物がある場合等に作動することがあります。
衝突被害軽減ブレーキはあくまで事故被害の軽減を目的としています。

感知する仕組み

感知するのはセンサーで行います。大きく分けて3種類あります。

・カメラ方式
カメラを用いるシステムです。
歩行者や車線、道路標識までも識別できますが、逆光や悪天候になる場合、性能が十分に発揮できない可能性があります。

・赤外線レーザー方式
低コストで広く普及しておりますが、探知距離が数メートルから数十メートル程度で、太陽の直射日光に影響される可能性があります。

・※ミリ波レーダー方式
ミリ波帯の電波を用いるレーダーシステムです。
※100m程度の範囲の状況を探知可能なレーダーシステム。
電波を利用することから霧の中や降雨・降雪時においても使用可能であり、衝突軽減を目的とする車載レーダーとしての利用が検討されている。探知距離が長く、悪天候の影響を受けにくいですが、歩行者や自転車の検知には不向きです。

これらのセンサーを組み合わせたものを各自動車メーカーは自社独自の技術で開発し搭載しています。特に先駆けで自動ブレーキを搭載したのは2003年に発売したトヨタのハリアーです。ただし、自動でブレーキ操作は行われないものでした。同年6月に発売されたホンダ・インスパイアで初めて自動でブレーキ操作が行われるようになりました。

各メーカー別の呼称

対象車種でシステム名が異なるので呼称の一部を紹介します。非常に種類が多いので割愛させて頂きます・・・すいません。

■トヨタ・レクサス
セーフティセンス
レーザーレーダーと嘆願カメラの2種類のセンサーで前方を監視するシステム。
対象車種はアクアやフィールダーなど

プリクラッシュセーフティシステム(ミリ波レーダー)
ミリ波レーダーと単眼カメラの2種類のセンサーで前方を監視するシステム。
対象車種はランドクルーザー、プリウス、クラウン、レクサスなど

衝突回避支援型プリクラッシュセーフティシステム
システムが前方の車両や歩行者、障害物に衝突する危険を認識すると、警報を発してドライバーに回避操作を促します。それでもドライバーが回避操作を行わない場合、世界トップレベルとなる自動ブレーキにより衝突回避を支援します。(相対速度40km/h以下の場合)

■日産
インテリジェントブレーキアシスト
車両前部に取り付けたレーダーセンサーで追従中の先行車両との距離を測定、状況に応じてドライバーの回避操作を促したり、万一の衝突時の被害を軽減するシステムです。
対象車種:シーマ・フーガ・エルグランドなど

■ホンダ
HondaSENSING
2015年から搭載が始まったホンダの次期主力安全装備。
ミリ波レーダーと単眼カメラで、前走車、対向車、歩行者を検知。
前走車や歩行者との衝突の恐れがある場合、まずディスプレイ内の表示や音で注意を喚起。さらに接近した場合は軽いブレーキをかけて体感的に警告。緊急時には、さらに強くブレーキが作動し、衝突回避・被害軽減を図ります。
対象車種はレジェンド・ジェイド・ステップワゴン・オデッセイ・フリードなど

■マツダ
i-ACTIVSENSE
ミリ波レーダーやカメラなどの検知デバイスを用いたマツダの先進安全技術の総称です。

スマートブレーキサポート
15km/h以上で、自動的にブレーキをかけて衝突による被害の低減を図る。
対象車種はアクセラ・アテンザなど

アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート
2016年7月発売の新型アクセラや8月発売の新型アテンザから順次導入。
従来のスマート・シティ・ブレーキ・サポートの赤外線レーザーから光学カメラにセンサーを変更し機能向上。歩行者検知機能が追加されています。
このアドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポートにより2016年の試験において最高得点の評価を受けました。

■スバル
アイサイト
前方車両の速度差が約50km/h以下(歩行者の場合は約35km/h以下)の状況では、自動ブレーキによって衝突の回避・衝突被害の軽減を図る。また自動ブレーキによる停止後はパーキングブレーキにより停止状態を保持する。(VER.3)
対象車種はVER.3 レヴォーグ・WRX S4・VER.2 レガシー・B4・アウトバック・インプレッサ・フォレスター・XV・エクシーガなど

■三菱自動車
衝突被害軽減ブレーキシステム
前方車両をレーダーにより認識し、衝突の危険があるときは、警報や自動ブレーキで衝突を回避、または被害軽減。安全運転をサポートします。
対象車種はアウトランダーなど

■スズキ
デュアルカメラブレーキサポート
衝突被害軽減システムに、軽自動車で初めて2つのカメラを搭載したステレオカメラ方式を採用。人の目と同じように左右2つのカメラが対象との距離や形を捉え、そのサイズや輪郭から歩行者やクルマを認識します。
対象車種は2015年以降 イグニス、スペーシア、ソリオハイブリッドなど

■ダイハツ
スマートアシスト
赤外線レーザーに単眼カメラを組み合わせることにより対応速度を拡大。4~100km/h以内(速度差約60km以内)の速度で走行中、衝突の危険性を検知するとまず音と表示による警報を行い、それでも衝突の危険がある場合は自動ブレーキを作動させる。
対象車種:2015年以降のムーブ・タント

ざっと紹介したものでもかなりありますよね。みなさんの乗る車にも搭載されていると思います。
新車の7割以上で搭載されておりますので、近い未来は100%搭載もあり得ると思います。事故率が軽減され、よりよい車社会になっていくかもしれません。

まとめ

・自動ブレーキシステム=衝突被害軽減ブレーキ
・仕組みはカメラ、赤外線、ミリ波レーダーで感知している
・各メーカーで呼称と機能に違いがある
・新車の7割以上で普及している。

 

CAR&編集部

カーライフマガジン編集部