自動車のコーティングで親水系・疎水系・撥水系は何が違うのか。

- 2017/07/15 カンドースタイル, カンドーメンテナンス, コーティング, 豆知識
愛車のガラスやボディをきれいに保つためには洗車、コーティングやワックスなどの手入れが欠かせません。特にコーティングはツヤを保ち、手入れによっては新品のような輝きを手に入れることができます。
コーティング専門のお店に行ってみたり、市販のコーティング剤を買って手入れしてみたりいろいろと試している人も少なくないでしょう。
みなさんが最初にコーティングする際に、親水系や撥水系という違いに疑問を感じたことはないでしょうか。
撥水系・疎水系・親水系の違い
簡単に言えば、水滴表面の角度がそれぞれ異なります。
撥水系
撥水系は表面の水をはじき、水分が水玉になるのが特徴です。
「いかにもコーティングしてますよ」というのがこの撥水系です。
撥水性にも定義があり、接触角度という水滴表面が作る角度で決まってきます。
カーコーティングでは90度以上になるものが撥水性と定義されます。
ちなみに150度以上になるものは超撥水と呼ばれます。
親水系
水をはじかず、べたっと水がボディに広がっているイメージです。
接触角度は60度ぐらいなので、撥水に比べるとボディに水が接している面が多いです。
ボディー全体に水が広がっているため、※1 表面に付着した汚れが雨と一緒に流れていくという特徴があります。
※1 全て流れるわけではないです。
疎水系
撥水系と親水系の間ぐらいに位置します。
水が水滴でもなく、表面にべたっとなるわけでもなく、サーッと表面を流れていくイメージです。ある程度水を弾きます。
撥水系・疎水系・親水系のメリット・デメリット
各系統のにはそれぞれのメリット・デメリットがあります。
・ 撥水系
メリット
光沢・防水効果があり、キズや汚れの付着の防止に期待できます。
デメリット
水滴が残っているところに、日光が注ぐと、レンズの効果が働いてボディに輪ジミができる場合があります。これをイオンデポジットと呼びます。
屋外で管理している場合は、雨が降って放置したところに直射日光が注ぐとイオンデポジットになる危険があります。
しかし、近年の車の塗料自体が進化しているので、イオンデポジットはできにくくなっています。
・ 親水性
メリット
水がボディ表面に広がるため、イオンデポジットの可能性がかなり低いです。
また、雨が降った際に流水と一緒に汚れも流れる効果が期待できます。
特に梅雨時期は効果ありです。
デメリット
自浄作用は流水がないと機能しないので、定期的な洗車を行わないと汚いままです。
雨や汚れでコーティング効果が薄れてくると、過疎性に変化して水を弾くようになります。
・ 疎水性
メリット
サーッと水が滑るという部分で、水はけがよいのでボディに水が残りにくいです。
イオンデポジットもできにくいです。撥水と親水の両側面を持っています。
撥水性・疎水性・親水性のどれを選ぶか
普段車をどのような状態で駐車しているか、また洗車などをどのくらい行うかで3種類のコーティング方法を使い分けた方が良いとされます。
撥水性の場合
洗車を一週間に一回ぐらい行う洗車好きの人
イオンデポジット前に水滴を拭きとれるすごいまめな人
光沢感が好きな人
車庫を保有し、日光に車がさらされていない環境がある人
など
親水性の場合
洗車がめんどくさい人
雨ざらしの駐車環境
など
疎水性の場合
雨ざらしの駐車環境
光沢感も欲しい、キズも付きにくくしたい・・・両方求める人
洗車は2種間に一回はする人
など
以上です。
どれが最適かというのは車が置かれている環境や普段の手入れによって変わってきます。
また、コーティングは車の色や車種、塗料によっても相性がありますので、ディーラーに聞いたり、よく調べてから施工した方が良いです。コーティング剤を販売しているメーカーによっても違いがあります。
まとめ
・撥水性は水を弾き、水滴ができるコーティングです。しかしイオンデポジットという輪ジミが出る可能性があります。
・親水性は水がボディに薄く広がるコーティングです。雨とともに汚れを流す効果が期待できます。光沢感や耐キズはそれほどないです。
・疎水性は、撥水性と親水性の両側面を持っています。