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優しく流れる音楽の河

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初夏

『アンビエント』と言う言葉を時折耳にします。

 

直訳すれば『環境』と言う意味になりますが、地球規模、世界規模の大きな環境を指すのでは無く、
自分をとりまく環境、自分の周囲にあるもの、と言った身近な環境を意味します。

 

この言葉を、音楽と言う形で初めて表現したのは、

かつてロキシー・ミュージックと言うバンドのメンバーであり、その後はソロとして、

そしてプロデューサーとして、デヴィッド・ボウイやU2などの作品に関わったイギリスのアーティスト、

ブライアン・イーノです。

 

ブライアン・イーノ

イーノは1978年、『Ambient 1/Music for Airports』と言うアルバムを発表し、

アンビエント・ミュージックの先駆者となりました。

文字通り空港で聴くためのアルバムで、実際にこのアルバムはニューヨークのラガーディア空港内で使用されています。

イーノはこの後、Ambient4までアルバムをリリース。

『アンビエント・ミュージック』は世界の音楽ジャンルとして定着しました。

音楽は演奏者の前だけで聴くものではなく、

また室内のオーディオの前だけで聴くものでもないことを、彼は証明したのです。

 

さて、話は変わります。

先日、 国内を飛行機で移動する機会がありました。

何気なく聴いた機内オーディオプログラムで、私はその女性アーティストの声に出逢いました。

閉鎖された航空機の中、窓から見えるのは青い空と白い雲海のみ。

しかし、その光景の中に彼女の声は何の障害もなく、

溶け込んで行くのです。

 


 

私は、これこそアンビエント・ミュージックだと感じました。

 

優河【さよならの声】

 

アーティストは優河。曲は【さよならの声】。

 

浮遊感溢れるグルーヴに乗せているのは、透き通るようでいながらも、ただのウイスパーではない、

どこかに芯のある優河の歌声。その名前の通り、音楽の河を、

彼女の優しいヴォーカルが滔々と流れて行くのです。

 

この歌は時と場所を選びません。

誰もいない、真っ白な砂のビーチの上でも。

森の中の森林浴でも。

満天の星空の下でも。

 

渋谷のスクランブル交差点を、

イヤフォンの音量を最大にして、この曲を聴きながら歩いて見ました。

洪水のような人の流れの中でも、

 

優しい音楽の河は、シュールに溶け込んで行くのです。

Nobby

Nobby

海と星と音楽を愛するB型乙女座のロマンティスト

東京都中央区日本橋生まれ・育ち。
慶應義塾幼稚舎・慶應義塾普通部・慶應義塾高等学校・慶應義塾大学法学部卒業の完全無欠シティボーイであるがゆえに、
海、星などの自然に憧れるナチュラリスト。

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