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2019/04/01

残る桜も…散る桜

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東京に千鳥ヶ淵と言う場所があります。
皇居の北西に位置するお堀のことで、日本武道館に行く際には必ず通らなければならない場所です。
地下鉄九段下駅から武道館へ続く道は、千鳥ヶ淵の堀に沿って登り坂。

 

千鳥ヶ淵

吉田拓郎のコンサートも南こうせつも、ボブ・ディランもセリーヌ・ディオンも、
この坂を登って武道館に観に行きました。

 

千鳥ヶ淵には、お堀に沿って見事な桜並木があります。
ソメイヨシノの本数はおよそ260本。

普段は静かな千鳥ヶ淵ですが、この時期はお花見の人達で埋まります。
東京を代表する桜の名所です。

 

また、この千鳥ヶ淵にはかつて、堀を見下ろすように、そして自慢の桜並木を愛でるように、小さなホテルがありました。名前を『フェアモントホテル』と言います。

 

1階の窓側にはティールーム。

桜を愛でる最高のロケーションにあり、
通常は人影まばらな寂しいホテルですが、この時だけは連日賑わっていました。

 

松任谷由実【経る時(ふるとき)】

明確にこのホテルを指しているわけではありませんが、
松任谷由実さんのナンバーに、ここだと思われるホテル、そして桜が登場する曲があります。

タイトルは【経る時(ふるとき)】。収録アルバムは1983年の『REINCARNATION 』。

 

 

窓際では老夫婦が ふくらみだした蕾をながめてる

薄日の射す枯木立が 桜並木であるのを誰もが忘れていても

何も言わず やがて花は咲き誇り かなわぬ想いを散らし 季節はゆく

二度と来ない人のことを ずっと待ってる気がするティールーム

水路に散る桜を見に さびれたこのホテルまで

 

真夏の影 深緑に ペンキの剥げたボートを浸し

秋の夕陽細く長く カラスの群れはぼんやり スモッグの中に溶ける

どこから来て どこへ行くの あんなに強く愛した気持ちも憎んだことも 今は昔

四月ごとに 同じ席は うす紅の砂時計の底になる

空から降る時が見える さびれたこのホテルから

 

惜しくも2002年に閉館してしまったフェアモントホテル。
この曲は、ホテルのティールームの老夫婦を主役に、桜、千鳥ヶ淵の水路、
そこに浮かぶレンタルボートを脇役にして、様々な人生の流転を、『降る桜』に『経つ時間』を重ねて表現した、
春の優しい良曲です。

Nobby

Nobby

海と星と音楽を愛するB型乙女座のロマンティスト