新宿で見た、静かなまぼろし

- 2019/02/01 カンドーミュージック
新宿の街で偶然、友人に会いました。
一瞬、それが誰だかわかりませんでした。
彼とよく会っていたのは40年前。
時の流れは人を変貌させますが、その変化は驚愕でした。
待ち合わせの彼
待ち合わせ場所としてはあまりにも有名な新宿の某所。
やはり同所にて誰かと待ち合わせの彼は、私の近隣に立ち、おそらく直ぐに私と気付いたのでしょう、
チラチラと視線を送って来たのは何となく感じていました。
しかし、彼のような風貌に知り合いの無い私は、さして気にもしていなかったのですが、
ややしばらくすると、『〇〇か?』と、学生時代以降はなかなか呼ばれない、私の本名のファーストネームを呼ばれ
、驚きながらも彼をマジマジと見て、ようやく10代の頃、音楽にのめり込んでいたバンド時代に、あるフェスティバルで一緒になって以来、何となく仲良くなり、その後は外国人アーティストのライヴチケットを確保するため共に徹夜で並んだり、遊びに行ったり飲みに行ったり、時には彼の部屋に泊まったりしながらも、社会人になってからは疎遠となってしまった同世代男性と気付きました。
松任谷由実【静かなまぼろし】
唐突ですが、ここで曲をご紹介します。
ユーミンが1978年にリリースした名盤『流線型’80』に収録されている【静かなまぼろし】は、
恋人と入ったレストランでメニューを見ていると、扉が開いて、かつての恋人が、
今の恋人らしき人を連れて入って来ると言うストーリーです。
かつて愛を交わした2人が、時を経て、同じレストランで、同じメニューを、別の恋人と選んでいる。
このシュールながらもあり得るシチュエーションを、浮遊感たっぷりのメロディーに乗せてユーミンが語ります。
後にこの曲は、あのジュリー(沢田研二さん)が1999年のアルバム『彼は眠れない』の中でカヴァー。
某テレビ番組では、ユーミンがこの曲をピアノ演奏し、ジュリーが歌うと言うコラボが実現し、
貴重な映像がYouTubeにも残されていますので是非ご覧下さい。
締めの歌詞が天才ユーミンを現しています。
『昔の恋をなつかしく思うのは 今の自分が幸せだからこそ』
新宿で40年ぶりに再会した友人。彼の驚愕的変貌。
”彼”は、“彼女’”になっていました。