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海の「道」しるべ 灯台とme:Ray 第八回~大浜埼灯台~

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不動まゆう

灯台マニアの不動まゆうさんが日本全国、世界の魅力的な灯台を紹介します。

灯台の魅力、歴史、そこから見える景色や美しさ・・・
思わずドライブして訪れてみたくなるエピソード、素敵な写真。
今まで灯台を知らなかった老若男女の皆様、この機会に訪れてみてはいかがでしょうか。

 

アレクサンダーより走行中のご挨拶

みなさま、残暑厳しい毎日が続いておりますが、お元気でございますか?

国産クロスオーバーSUV車のアレクサンダー(愛称)でございます。

ワタクシはいま「車に生まれてよかった!」と心から感じているところです。

なぜなら、爽快に走っておりますのは「しまなみ海道」なんです!

ご存知の通り、広島県の尾道市から愛媛県の今治市へ続く道路で、正式名称は西瀬戸自動車道。

海風を全身に浴びながら、島々を結ぶ大橋を渡るのは、それは気持ちのいいものです。

車冥利につきると言っても過言ではないでしょう。

 

因島大橋塔頂からみる因島 お写真:無料写真素材おのみちや

 

 

大浜埼灯台

さて、どこに向かっているかと申しますと、今回も灯台でございます。

ワタクシのご主人は灯台が大好きでございますからね。

因島大橋を渡りきるあたりでご主人が叫びました。

「あの辺に大浜埼灯台があるはずなんだぁ。あぁ景色見たいけど脇見できない~!」

因島大橋の袂に位置する大浜埼灯台

 

 

お気持ちはわかりますが、灯台はあとでゆっくりご覧になれますので、

運転中はちゃんと前を見ていてくださいよ。

ご主人をなだめながら因島北ICをでまして、15分ほどで灯台に到着しました。

おや、塔が3つならんでいますね。これがすべて灯台なのでしょうか?

 

灯台の手前に見える3つの塔・・?

 

 

いや・・・灯台ではないようですね。

ご主人が案内板を読んで教えてくれました。

「ここは明治43年に建てられた船舶通航と潮流を知らせるための信号所だったんだって」

船舶通航・・ですか? 車のワタクシにはあまり聞きなれない言葉です。

「昔はこの3つの塔に〇や△、□の図形が描いてあって、羽根板を操作することで図形を明示し、船は図形を読み解くことで、対向する船の状況が把握できたみたい。

たとえば、備後灘から西へ進む船にとって〇印が見える時は、

『東へ向かってくる船が、高根島と小佐木島の間にいますよ』といった具合。

この信号によって衝突を避けることができたんだね。」

 

〇△□の図形を明示していた塔の羽根板

 

大浜埼灯台と通航信号所を海からみたところ

 

 

なるほど、車の信号と同様、とても重要なものだったんですね!

「木造の船舶信号所としては国内唯一で、土木遺産にも指定されているんだって。この建物も貴重な歴史資料だし、この周囲には多くの灯台関連資料が展示してあるね。これは灯台好きにとってたまらない場所だなぁ・・むふふ」

信号所の裏側にさりげなく展示してあった長太夫礁灯標の灯籠

 

貴重な資料を拝見したあと、ついに灯台とご対面しました。

大浜埼灯台

 

なんて可愛らしい灯台でございましょうか。

あれ?どなたかいらっしゃいますね。

灯台の管理をしてらっしゃる方でしょうか。

「こんにちは!私、灯台が大好きなので東京から車を飛ばしてやってきました!」

ご主人がご挨拶をしたのは、尾道海上保安部の方でした。

「ちょうどいま灯台のメンテナンスをしていたんですよ。」

そう言って、灯台について教えてくださいました。

「この灯台は明治27年に建てられました。昔からこの海域は重要な航路だったため、明治期に多くの灯台が建てられました。

小さな灯台だと感じられたかもしれませんが、長い歴史を背負い、いまでも航路標識として役目を果たす頼もしい存在です。」

大浜埼灯台のレンズ

 

ご主人が質問をしました。

「灯台のメンテナンスって、やっぱりレンズを磨くんですか?」

「昔の灯台は石油やガスを燃焼させた灯火を使っていたので、灯台守と呼ばれていた我々の先輩は、レンズを丹念に磨いて煤をふき取っていました。

いまは電気なのでレンズはあまり汚れません。

電気機器などに不具合がないか、ちゃんと正しく点灯するか等のチェックや修理がメンテナンスの目的です。

でも灯台に対してお疲れ様という気持ちでレンズを磨くこともありますよ」

灯台の点検をしている尾道海上保安部の方

 

「夜、点灯している姿も素敵でしょうね。見てみたくなりました!」

「夜は暗く危ないので、気を付けてくださいね。明日も天気が良さそうなので、早朝の方がいいかもしれませんよ」

「ご心配ありがとうございます!そうします!」

そうして次の日の早朝に見た灯台の様子がこちらです。

大浜埼灯台の点灯

 

一晩中光を放ち、海を見守っていた灯台。

まもなく夜明けの時間です。

今夜も船たちが無事でよかったと、ホッとしているところでしょうか。

夜明けの大浜埼灯台と因島大橋

 

すごく優しい景色ですね。

明治から続く灯台と信号所、そしてそれを守ってきた灯台守の方々に想いを馳せておりました。

 

そうそう、海上保安部の方に伺ったのですが、尾道の灯台をめぐるクルーズツアーが企画されているようです。

明治期の灯台を船から眺めたり、無人島である百貫島の灯台を訪れたりすることができるそうです。ご興味がある方はぜひ!

https://www.ononavi.jp/fan/onotabi/detail.html?tour=158

 

 

 

 

 

 

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灯台のご紹介
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①知多半島 野間埼灯台はコチラです→http://car-and.com/1930/

②三浦半島 剱埼灯台はコチラです→http://car-and.com/2035/

③房総半島 野島埼灯台・洲埼灯台はコチラです→http://car-and.com/2110/

④高知県 室戸岬灯台はコチラです→http://car-and.com/2154/

静岡県清水 灯台シリーズはコチラです→http://car-and.com/2204/

⑥福島県 塩屋埼灯台はコチラです→http://car-and.com/2318/

⑦愛知県 品川灯台はコチラです→http://car-and.com/2403/

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不動 まゆう

不動 まゆう

「100年後の海にも灯台の光を輝かせる」を目標に、各地の灯台を取材し魅力をアピールしています。

灯台マニア。フリーペーパー「灯台どうだい?」編集長