THE GRADUATE…『卒業』。

- 2018/03/27 カンドーミュージック
映画『卒業』は、ストーリーも音楽も素晴らしい作品です。
今夜あたり、改めてご覧下さい。
1967年の作品です。既に半世紀を過ぎたアメリカン・ニューシネマの1つ。
卒業
大学を卒業し帰郷した男性ベンジャミンをダスティン・ホフマンが演じ、恋人エレインをキャサリン・ロスが演じています。
2人の交際がスタートしてまもなく、彼女の母親ミセス・ロビンソンとベンジャミンの不倫が発覚し、エレインは彼の元から去ります。
しかし彼女を忘れられないベンジャミンはひたすらエレインを追いかけます。
遂にはエレインが他の男性と結婚式を挙げている最中の教会に乗り込み、彼女を連れ去るのです。
映画の重要なアイテムの1つがベンジャミンの乗る車。

映画の前年、1966年に登場したイタリアの2ドアオープンカー、アルファロメオ・スパイダー。
カッコいいです。
Simon & Garfunkel 【THE GRADUATE】
映画のもう1つの重要アイテムが、言わずと知れたサイモン&ガーファンクルの名曲の数々。
テーマ曲である【サウンド・オブ・サイレンス】の他にも、【ミセス・ロビンソン】、
【スカボロ・フェア】などの秀逸曲が、単なる映画の挿入歌に非ず、物語にリンクしながら進行して行きます。

ベンジャミンが教会に着くと、祭壇の前では今まさに他の男性と永遠の愛を誓うエレイン。
ベンジャミンは教会のガラスを叩きながら必死に彼女の名を叫びます。その声に振り返り、
ついにはベンジャミンの愛に応えるエレイン。彼女もまた叫びます。
『ベーーーーーーーーーンヌッ!』
最初にこの映画を観た時に、Nの発音ってこんなに語尾を強調するのだな、と学んだことを覚えています。
通りすがりのバスに飛び乗り、去って行く2人。
ハッピーエンドかと思いきや、顔を見合わせ笑っていたのは最初だけ。
その後は会話もなく、時折険しい表情さえ見せる2人。
この2人の表情を巡って、長い間、映画ファンの 間では議論がなされて来ました。
果たして『卒業』はハッピーエンドか否か。
テーマ曲である【サウンド・オブ・サイレンス】の歌詞の哲学的難解さも相まって、
半世紀を過ぎた今も、この映画は私達に、子供からの卒業、そして大人になることの難しさを投げかけてくるのです。