愛は時間と距離を超えて

- 2018/03/06 カンドーミュージック
3月です。首都圏にいるとあまり感じませんが、これからの時期、地方ではよく見かける光景があります。
就職のため都会に出ていく若者たちです。
遠距離恋愛
私の知り合いにも、遠距離恋愛をスタートするカップルがいます。
2人ともこの春、地元の大学を卒業しますが、女性は地元に残り、男性は横浜に行きます。
就職も決まり、あとは卒業式だけ。本来ならば最ものんびり出来る時期ではありますが、社会に出る期待と不安、そしてやがて来る恋人との別離に、なんとなく心は沈みがちです。
そんな彼らの心を、まるで傷口に塩をすりこむかのごとく落ち込ませるような曲が、
1975年の大ヒット曲【木綿のハンカチーフ】です。シンガーは太田裕美さん。
太田裕美【木綿のハンカチーフ】
松本隆作詞、筒美京平作曲と言う、その後のJ-POP界においてヒットソングを量産するゴールデンコンビの初期の作品として創られたこの曲は、都会に出ていく男性と田舎に残る女性との、遠距離になってしまったことで起きた悲恋の物語を、当時は前例を見ない、対話形式での楽曲に仕上げています。お見事としか言えません。

楽曲発表当時は松本隆さんの歌詞が、あのボブ・ディランが1964年にリリースしたアルバムに収録されている【スペイン皮のブーツ】に似ていることから、1部の音楽関係者に非難されると言う出来事もありましたが、
例え下敷きがあったとしても、この曲は遠距離恋愛の切なさを表現している名曲であり、
だからこそ現在に至るまで、桑田佳祐、椎名林檎、いきものがかり等、60を超えるアーティストの方々にカヴァーされているのです。
この曲を聴かれる際には、続いてリリースされた【木綿のハンカチーフ】のアンサーソングとも言うべき【赤いハイヒール】も併せてどうぞ。
更には話題を呼んだボブ・ディランの【スペイン皮のブーツ】も是非お聴き下さい。
こちらは、旅立って行くのが女性です。
最後になりますが、遠距離恋愛経験者の私としては、女性には新生活で活躍する男性を、認めて欲しいと思います。
指輪、貴女のために選んだし。
スーツ着た彼の写真、見てあげて。
進化する彼、応援してあげて。
愛は、時間と距離を超えるはずです。