海の「道」しるべ 灯台とme:Ray 第二回~剱埼(つるぎさき)灯台~

プロフィール
灯台マニアの不動まゆうさんが日本全国、世界の魅力的な灯台を紹介します。
灯台の魅力、歴史、そこから見える景色や美しさ・・・
思わずドライブして訪れてみたくなるエピソード、素敵な写真。
今まで灯台を知らなかった老若男女の皆様、この機会に訪れてみてはいかがでしょうか。
三浦半島 剱埼(つるぎさき)灯台
春の兆しを感じられるようになりましたね。
アレクサンダーです(あ、先日も自己紹介はいたしましたが、この名前は愛称でございまして国産のクロスオーバーSUVでございます)。
ワタクシを停めていただいている自宅車庫はシャッターなど遮るものはございませんので、今年の寒さには身を縮めましたが、お向かいのお宅の梅の花がふわりとほころび始めたのをまっさきに感じられたのは嬉しいことでございました。
ご主人も気がつけばいいなぁと思うのですが、毎朝忙しそうに出勤されて季節の移ろいが目に入っていらっしゃらないのは残念なことです。先日もため息をつきながらご帰宅されたので心配しておりました。
さてこんな時、自家用車の皆さんはご主人様をいつもどちらへお連れしているのでしょうか。
ワタクシのご主人は灯台が好きでございますので、先週末は三浦半島へお連れしました。
目的地は剱埼灯台でございます。
横浜横須賀道路を使い、空いていれば都内から1時間半ほど。
のどかなキャベツ畑を静かに登ってまいりますと、真っ白な灯台が見えてまいります。
この地に灯台が建てられたのは明治4年。
日本が開国して諸外国との条約で最初に建設が決まった8基のうちの一つでございます。
東京湾の入り口にあたる重要な場所だからでしょうか。
この初代の灯台は関東大震災で惜しくも倒壊しましたが、現在建っている2代目の灯台も大正14年に建てられた歴史ある灯台で、まもなく築100年となります。
しかし、この灯台は観光地として賑わっている場所ではございません。
灯台の下で、ひとりゆっくりと海を眺めることができるとっておきの場所なんです。
近くにはワタクシが安心してお待ちできる駐車場もございまして、さらに野良猫たちも多く住んでおり、ボンネットの上でお昼寝をしてくれたりすると、そのフワフワで柔らかい温もりを感じられてなかなか良いものです。
この日、ご主人はなかなか戻ってきませんでした。
夕日をご覧になったらお戻りになるのではないかと期待していたのですが、日が沈んで暗くなってからもなかなか姿が見えません。
次第に不安を感じていたのですが、しばらくすると、目をキラキラさせたご主人が戻ってきました。
「待たせてごめんね」とワタクシを気遣った後、灯台の光の話を聞かせてくださいました。
夕日を眺めていたら静かに灯台が点灯を始めたそうです。
大きなレンズが回転し、日が暮れると共に光芒が力強くなっていく様子に見入ってしまったとか。
剱埼灯台の光は、サファイヤのような緑色の光と、ダイヤモンドのような白色の光を発するそうで、その宝石のような美しい光は30キロ以上も沖合まで届くそうです。

また、対岸では千葉県 洲埼灯台の光が瞬いていたとのこと。灯台の光に癒されたご様子で本当によかったです。
そして今度は洲埼灯台に連れて行って欲しいとのこと。承知いたしました。次のご主人のお休みの日を指折り(あ、指はございませんので4つのタイヤを駆使して)数える毎日です。
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灯台のご紹介
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①知多半島 野間埼灯台はコチラです→http://car-and.com/1930/
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不動まゆうさん運営の灯台フリーペーパー「灯台どうだい?」ウェブサイトはこちら
https://toudaifreepaper.jimdo.com/
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