ベトナムの自動車事情その② 車のメンテナンス

前回はベトナム、主にハノイのような都市圏の車事情、交通事情に関して書きました。
ベトナムの自動車事情その①→http://car-and.com/1796/
今回は整備や車検に関してです。
日本ですと、しっかりとした制度が整えられ、車検は国の義務になっています。
また、定期的なオイル交換や点検などが必要となり、車を乗る上での個人の責任も大きいです。
ベトナムはどうなのか。
ベトナムの自動車整備
街にはそれは多くの車が走っています。
しかし、車の保有率は人口の3%です。まだまだ都市圏でしか車は普及していませんし、バイクが多い現状です。
僕がハノイ市内を移動しているときもバイクや自動車との接触事故を3日間で5回ほどみました。
自動車整備以前に交通整備が進んでいないので、バイクが車の隙間を縫うように追い越していったり、逆走あり、日本人は初見で運転はかなりハードです。
車はSUV車を中心に多く走っています。
しかし、ベトナムには現状で「車検」という制度はありません。
街の整備工場はありますが、そこでは車検は行われず車の整備やメンテナンスを行っています。
鈑金修理も一括して行い、古い車も直しながら大切に乗っています。
オイル交換が1回約1000円~2000円で行われます。
一般人の平均月収は約25000円ですので、かなり高額です。車は富裕層しか乗れない高級品です。
オイル交換は日本ですと、3000㎞~5000㎞が目安です。
という風に説明を受けますがベトナムでは、自分で管理して持ち込みます。
もちろん、これぐらいで来てくださいという説明は受けますが、明確な目安はあまりないようです。
また、バイク専用の整備工場があります。
軒先までメンテナンス待ちのバイクでいっぱいです。
洗車機もあります。雨季以外ですと塵や砂ぼこりがすごいので1日で車は汚れてしまうほど空気はよどんでいます。
ですので、洗車場も大賑わい。
ちなみガソリンスタンドはかなり少ないです。
ハノイ市内を結構移動しましたが2件程しか見てません。
もちろん少ないので常に満車です。1ℓはだいたい80~100円です。
民間整備工場とディーラー整備工場
僕は民間整備工場とハノイレクサスに訪問しました。
そこで整備工場の方にお話しを聞いたり、実際に見学した際の違いについてです。
民間整備工場
違いは一目瞭然です。
そこの民間整備工場はハノイレクサスの裏手にあったのですが、舗装されていない道を中に入っていくとあります。工場内は古いリフトや塗装ブースが設置されており、整備士も作業服ではなくジャージやデニム姿で作業をしておりました。
床も荒れており、工具等もまばらに設置。
大型バスから普通車までジャッキアップをして整備しておりました。
日本の指定工場ですと、整備士3人・検査員1人が条件です。
しかし、ベトナムの工場ではそのような人員配置もないような状況でした。
ハノイレクサス
外観はガラス張りでレクサスの高級感あふれる構造です。かなりでかい。
中に入ると、シリーズごとに車が展示され、待合室は全てソファです。ここもかなり広い。
商談スペースは全て個室で、数十席はあります。
店内は日本と同じような構造、トイレも日本と同じような構造でした。
整備工場もかなり広い。
工場の中央にある指令室には工程管理ボードとパソコンを使いながら、入庫車両や作業内容のチェックをしていました。
その左右にはリフトが6台。
向かいの奥には洗車場があり、リフトの目の前には道を挟んで作業待ちの車両がずらり。
タイヤ交換作業やオイル交換をしておりましたが、リフトは自動で工具もボックスにきれいに収納されておりました。
作業人員は3人で1台の車を見ており、スピードは日本よりかは少し遅いぐらいでした。
整備士は見た感じですと10人以上在籍しておりました。
また、整備士に対してのリフトの使い方はそれほど徹底されておらず、人がいて作業待ち車両があるのにリフトにはわずか2台しか入って作業していなかったです。
効率よくは使えていない気がしました。
しかし、設備や管理室などは最先端で先ほどの民間整備工場とはかなりの差がありました。
もちろん、皆さんツナギを着て、接客する人はスーツでした。
最後に
民間整備工場は増加傾向にあります。ディーラーの整備工場も同じです。
自動車需要が高まる中で、車関係の仕事に就きたいという若者が多く、今後のベトナムでのモータリゼーションを見越してたくさんの企業や外資が投資をしています。
自動車関税が徐々に低くなっていき、価格が落ち着けば一気にベトナム国内でも車の所有者が多くなっていきます。
そうなると、整備士も増え自動車整備に対する考えも変わってくると思います。
これから自動車産業が発展していくベトナムはアジアでも注目の存在です。