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世界からも絶賛!日本の物流を支えるトラック。

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トラック

10月9日はトラックの日です。
これは全日本トラック協会(全ト協)が1992(平成4)年に制定しました。
「ト(10)ラック(9)」の語呂合せです。
トラック運送事業について広く国民一般に理解と関心を深めてもらい、トラック運送事業者の社会的地位を向上させる日でもあります。

物流業界を大きく支えていて、現代社会において無くてはならない存在となっているトラックですが一体いつから利用されているのでしょうか。

最初は物流業界の主役トラックの歴史について書かせて頂きたいと思います。

トラックの歴史

普段慣れ親しんでいるトラックという名前は通称で、正規式名称は貨物自動車となります。

トラックという名前の由来は、まだ自動車も無く荷車で荷物を運んでいた頃の荷車の鉄輪ラテン語trochosから来たと言われています。

 トラック初期

日本で初めてトラックが運用されたのは、輜重兵(しちょうへい)が起源だったと言われています。

日中戦争期まで三六式輜重車(1903年)から三九式輜重車(1906年)など馬匹による運搬が主力でした。

敗戦後より杜撰な管理だった後方支援というものが大幅に見直されていき発達していったようです。

1915(大正4)年には軍用自動車試験班というところで研究や試験などが行われるようになり1918(大正7)年10月にイギリスから輸入されたMk.IVの雌型が日本で初の貨物自動車(トラック)と言われています。

このMk.IVは横浜舶着後、汐留から夜間に信濃町にある輜重兵第一大隊へと自走した際、車体の大きさと重さの為、路面電車の軌道敷を破壊しながら進んだそうです。

 トラック中期

東京石川島造船所(いすゞの前身)が、第一次世界大戦による好景気で得た資金を元に、自動車産業に進出することで日本のトラック技術は大きく前進することになります。

1918(大正7)年に英国の自動車会社ウーズレー社と契約が成立し、ウーズレー自動車の製造権および東洋での販売権を獲得。社員を現地に派遣して技術を修得、必要な機械・図面などを取り寄せ、ウーズレーA9型乗用車の製造を開始します。

1922(大正11)年にはついに、乗用車第一号が完成しました。

また、1923(大正12)年には、ウーズレーCP型1.5トン積トラックの図面および見本車2台を取り寄せました。

それを元に1924(大正13)年3月、2台の試作トラックが完成して、1,000kmの運転試験を行い、軍用保護自動車の資格を得ました。

 トラック後期~現在

1964(昭和39)年、日本で初めての高速道路・名神高速道路(西宮~小牧)が全面開通しました。
また、1969(昭和44)年には東名高速道路が全面開通し、日本は本格的な高速輸送時代を迎えます。
これに合わせて、トラックも高速化が進み、高出力のエンジンを搭載した大型トラックがぞくぞくと生み出されることとなります。

トラックの活躍により昭和35年と昭和45年の国内貨物輸送トン数を比較すると、10年間で約4倍もの伸びを示しています。

1970年代以降、大量生産大量消費時代を迎え、大気汚染や交通事故の増加など、自動車社会の問題も表面化しました。

現在では、日本だけではなく世界中の国が、最重要課題として環境保護をあげています。このため各トラックメーカーがこぞってハイブリッドトラックを開発して低公害性をアピールしています。実用化も間近に迫っています。

ハイブリッドトラックが世界で活躍する日が楽しみです。

トラック車検・整備

トラックは日本の物流を支えている大切な車両です。
あの大きな車を維持するのには、しっかりとした整備と点検が必要になってきます。
普通車の車検は、2年毎にやってきますよね。

全く使ってない車も2年たてば車検を受けなくてはなりません。

対して、高速道路などで走っているトラックは運送の為、年間に10万キロ以上走行することもあります。

何万キロも走行するトラックも自家用車同様に2年の車検なのでしょうか??

また点検期間は何ヶ月毎に行うのでしょうか?

 

 

1、トラック車検の有効期間

皆さんがお乗り頂いている乗用車・軽自動車の車検有効期間は2年間です。新車購入からの場合ですと3年間となっております。

さてトラック車検の場合はどうなのでしょう?

下の表を見ていただければ一目瞭然!!

トラックの2回目以降の車検有効期間は1年(毎年)で、毎年車検を受けなくてはなりません。

しかし、初回車検に関しては総重量で違いがあります。

総重量が8t以上は初回1年

総重量が8t未満は初回2年

となります。

トラックの初回車検は総重量で変わる!と覚えておきましょう。

 

2、トラックの定期点検

 

トラックには、定期的な期間に受ける定期点検と、毎日行う日常点検があります。

 

<日常点検>

日常点検は運行の前に行う車輌点検のことであります。

貨物自動車運送事業法では、運送事業用のトラックは日常点検を義務付けております。

日常点検は「事故の防止」「事前にチェックすることで故障を予防」「コスト削減」など、メリットしかありません。

事故・故障の防止はもちろんのこと、事前に故障箇所を見つけることで部品交換・燃料のコストも削減できます。

 

<定期点検>

定期的に整備工場・修理工場などで車の状態を点検してもらうことを定期点検と言います。

定期点検は日常点検同様に事故や故障を防止します。

一般のドライバーが点検する日常点検では、目視の箇所が多くあります。

定期点検は専門の整備士が点検を行うため、日常点検では見ることのできない車両の内部まで点検を行うことが出来ます。

トラックでは対象トラックによって定期点検の期間は異なってきます。

◇事業用トラック

 ・3ヶ月点検(全47項目)

 ・12ヶ月点検(事業用:全96項目)

◇自家用トラック

 ・6ヶ月点検(全21項目)

 ・12ヶ月点検(自家用:全77項目)

◇自家用トラック(車両総重量8トン以上)

 ・3ヶ月点検(全47項目)

 ・12ヶ月点検(自家用:全77項目)

以上のように事業用トラック・自家用トラック(車両総重量8トン以上)は3ヶ月毎に点検の義務がございます。

 

3、定期点検を怠ってしまうと違反?

 

前述したとおりにトラックには定期点検・日常点検の義務があり、事故防止のためにも実施を義務付けております。

定期点検・日常点検を怠ってしまった場合、違反になる場合がございます。

罰則の内容としては、対象トラックの車輌停止処分が下されるため、運搬で収益を上げる運送業者にとっては大きな損害になります。

4、様々なトラック

話しは変わりますが、トラックと聞いて皆さんはどのような形のものを思い浮かべましたか?

宅配トラック、キャリアカー、タンクローリとトラックの種類は様々です。

それぞれの国や地域、使用する用途に合った形をしています、今回はそのなかでも少し珍しいトラックを紹介したいと思います。

①スリーパーキャブ

アメリカで多く走っているコンテナ状のものを牽引して走るタイプのトラックのことをセミトレーラーと言い、トラック内でに休憩スペースを備えているものをスリーパーキャブと言います。

スリーパーキャブ

国土の広いアメリカでは、移動距離も時間も長くホテルに泊まるよりも車内で一晩を過ごすことが主流となっているアメリカでは普通の車の後部座席にあたる部分に休憩用のスペース備えたトラックが多く走っています。

内装は簡易ベッドやテレビなどさながらカプセルホテルのようなものからキャンピングカー並みのものまで様々です。

余談ですが、映画トランスフォーマーのオプティマスプライム(コンボイ)もこれと同じ種類のものです。これほど大きいと体格のいい北米の方も普通のサイズに見えてきます(笑)

②日本メーカーが作るピックアップトラック

ピックアップとは乗用車やSUVほどの大きさに荷台がついた車の名称です。
映画や、ドラマ、最近では実際に車道を走っている姿も見かけたりします。

こちらも主にアメリカで多く乗られており、アメリカの車メーカーが力を入れて作っているイメージですが、実は日本の会社も生産していたりします。

例えばTOYOTAのタンドラやタコマ。車のサイズが大きいという事もあり、日本ではあまりお目にかからないため、珍しいトラックです。

③世界最大級のダンプトラック

先ほどまでは特殊車両以外のトラックを紹介しましたがここでは特殊車両、それも世界最大級を誇るトラックをふたつほど紹介したいと思います。

まずはリープヘルが製造する鉱業用ダンプトラック「T 282B」。
こちらは現在、世界最大の大きさとなっています。

T282B

そして、もう1つは小松製作所が製造した「930E」。

コマツ930E
小松製作所「こまつの杜」超大型ダンプトラック「コマツ930E」

「T 282B」と同じく鉱業用のトラックで、その高さは7.3メートルもあり、2階建のたてものよりも高いです。
高さの他に重量、積載量なども一般的なものとは比べ物なりません。

そんな「930E」は石川県にある「こまつの社」という施設で試乗体験が出来ます。

普段なかなかお目にかかるのできないトラック、特に日本では大きさ故走る事が出来ない環境のため珍しいものばかりです。しかし、例えば日本のデコトラなどは特定の地域からみれば珍しいトラックの部類に入るのではないでしょうか。

 

CAR&編集部

カーライフマガジン編集部