初秋の風に吹かれながらお薦めの曲

- 2017/09/12 カンドーミュージック
今年の東京には夏が無かったと言います。雨の毎日だったようですね。おかげさまで現在私が暮らしている沖縄県宮古島は今年も毎日が夏でしたし、今も夏です。
宮古島には四季がありません。この辺りはハワイとも似ているのですが、四季ならぬ二季です。春と秋が無いのです。暑いか涼しいか。15度を下ることがほとんど無いので、寒いなんて言ったら内地の方々に怒られそうですから、敢えて涼しいと表現しておきます。
いきなり暑くなるか、いきなり涼しくなるか。宮古島もハワイもそんなところが似ています。
そろそろ朝夕に涼しさを感じる頃でしょうか。ドライブの際にも、窓枠に置いた腕を意外に冷たい風が撫ぜて行く時期だと思います。
ロックバンド:Kansas
アメリカのプログレッシブ・ロック・バンド、カンサスの最大のヒット曲、1978年の【Dust In The Wind(すべては風の中に)】は、今のこの時期にぴったりのナンバーです。
秋を感じる曲は沢山ありますが、初秋にはこの曲です。イントロのアコースティック・ギター、後からやってくる弦のハーモニーが清涼感を持って、まさに風のような爽やかさを連れて来ます。本当に心地よいメロディーなんですが、しかし、歌詞の内容はかなり哲学的です。
『風に舞う塵 僕等はみんな風の中の塵のような存在さ 風に舞う塵 僕等はちっぽけな存在さ』
『時はすり抜けて行く どんなにお金があっても1分だって買うことは出来ない』
【Kansas】アルバム:ベスト・オブ・カンサス

アーティスト:Kansas
例えるなら「平家物語」
こんな世界観、確か日本の歴史的な物語にもありましたよね。
平家の栄華と没落を描いた『平家物語』です。『たけき者も遂には滅びぬ ひとえに風の前の塵に同じ』。ふとそんな一節を思い出します。この曲と平家物語には、人間の存在に関する共通点があるのです。
切なさを感じるメロディーに乗せて、人間なんてちっぽけなもの、たかだか座って半畳、寝て1畳じゃないか、的な大きいテーマを持ったこの曲は、デートの後、彼女をお家に送って行く時に2人で聴くと、なんか妙に沁みちゃって、お家の近所まで送ったにも関わらず、彼女は『まだ帰りたくない』ってことになったりします。もう少しドライブするか、お茶でもしに行きましょう。